タイトルにつられて「勉強できる子卑屈化社会」を読みました。そこまでボリュームがある本ではないので、1日で読み切りました。率直に面白かったです。
「確かにな」と思うことが多くあり、何となく感じてはいましたが、“勉強する子供に対する偏見”を鋭く突いています。
勉強できる、勉強する子は性格に難がある?
この本、一言でまとめると、「勉強できる子は性格に難があるという偏見」について書かれています。
確かに、がり勉、メガネ、頭でっかち、インテリなど、勉強に没頭している子供に対するあだ名ってあまりイメージ無いですよね(笑)
学園物のドラマやアニメの生徒構成を見ると、大体その偏見が顕著に表れているそうな。これは確かにそうだ!(笑)
本当は心の優しいヤンキー
金色に髪を染め、先生の言うことに反発する、もめ事をよく起こす、喧嘩っ早い、そして勉強は全くできない(しない)。
しかし、本当は根が優しく仲間が困っていると身体を張って助けに行く。
何かしらのきっかけ(教師の熱い説得等)により急激に心を入れ替え、クラスでのリーダーシップを発揮しヒーローと化す。
もともとのバイタリティがすごいので、行動するととてつもない能力を発揮したりする。
常々思っていましたが、もともとマイナス評価の人間がちょっといいことをして±ゼロぐらいまでもっていくと、ものすごい評価が高まりますよね。
いや、日々いいことをしている人の方が偉いだろうと(笑)
- 刑務所服役後、心を入れ替え牧師になった⇒偉い!すごい!
- 子供のころから敬虔なクリスチャンで、規律を守った人生を送り牧師になった⇒ふーん
ヤンキーが心まで腐っていたら本当に洒落ならないですからね(笑)どこかで”実は優しい”という希望的観測が入っているのでしょう。
そうでないことが多いのが現実なんですが…。
金持ちは威張り散らしている
金持ち役は間違いなく威張り散らしています。性格も嫌な奴です。お金で何でも解決できると思っていて、友達にもお金を渡すし先生ですら気に入らないと親の権力で飛ばそうとしてきます。
しかし、何かのきっかけ(ヤンキー役とのコラボが多い)で真の友情はお金では買えないと悟り、急激に心を入れ替える。
これも偏見ですよね。お金持ちは性格が悪く、貧乏な人は心がきれいでないと大衆受けはしないんでしょう。お金と心のきれいさに関係はあるでしょうが、お金持ちが心が汚く、貧乏が心がきれいというのは偏見ですね。
- お金持ちで心がきれいな人
- お金持ちで心が汚い人
- 貧乏で心がきれいな人
- 貧乏で心が汚い人
最悪なのが一番下ですね。目も当てられない。しかし、お金に余裕がなくなってくると荒んだ性格になっていく場合もよくあることです。
大切なことはお金があるから心が汚くなるわけではないということ。
お金が無くなって心が汚くなっていく人を何人も見ましたよ…
クラスで成績トップのインテリ君
前置きが長くなってしまいましたが、勉強できる子卑屈化社会のテーマはここです(笑)
学園物のドラマでは間違いなくメガネをかけてクールで嫌味に描かれます。成績がトップなのに性格までいいなんてやつがいたら勝ち目が無いですからね(笑)
しかし、現実世界はどうでしょう。東大生がみんな性格悪いですか?そんなわけないですよね。
私の会社にも東大卒がいますが、いい人ですよ(笑)社交性もちゃんとあるし、頭もいいしなんならスポーツも出来る。
勉強できて、爽やかで、スポーツが出来たら凡人には勝ち目が無いですもんね。
勉強ばかりしていたら卑屈になる?
日本は変な慣習があって、「テスト勉強全然してないわー」、「今回のテストやばいわー」などと、本当にしていなくても実はしていてもテスト前にはこんな言葉が飛び交います。
そして、「俺勉強めっちゃしてるし。トップ狙ってるし」なんて言った日には、もう明日からがり勉、インテリなどとあだ名をつけられることは間違いありません。
しかし、これがスポーツだったらどうでしょう。「俺、県大会で一位になるために今走り込み毎日してるし」と言ったら、かっこいい!頑張ってね!ってなるでしょう。
子供にとって勉強もスポーツも、”関心があって没頭したい対象”であるにもかかわらず、勉強ばかりしていると卑屈になり、スポーツばかりしていると心が清くなるという偏見に、この本は異論を唱えています。
- 勉強ばかりする人=変人
- スポーツばかりする人=爽やか
確かにこんなイメージありますよね(笑)
子供によって興味を持つ対象は様々なんだから、それが勉強だろうがスポーツだろうが、将棋だろうが、偏見なくその能力を認めてあげようということです。
そして、勉強ばっかりしていても決して心は卑屈にならず、素直に育っている子もたくさんいる。
勉強ばかりしている子は社交性が育たず卑屈になる!という妙な偏見は捨てて、素直に子供を褒めてあげましょう。
勉強できる子もすごい。スポーツできる子もすごい。将棋が強い子もすごい。ゲームが強い子もすごい。ちなみに私の子供は2歳半ですが、私に似てスポーツタイプではなさそうです(笑)
簡単に読める本だし、ちょっと目からうろこなことが多いので、読んでみてはいかがでしょう。
コメント