私が子供の頃はいわゆる「定年」は60歳でした。子供ながら、「人って60歳まで働いてそのあとは老人として静かに暮らすんだ…」と思っていました。
今考えればその定年そのものが労働者として生きていく前提ですけどね
それがいつの間にか65歳に引き上げられ、いつしか「生涯現役、生き生きと70歳まで」みたいなスローガンの下、70歳定年説まで出始めております。
確かに今の60歳はまだまだ元気だし、もう少し働けるかな?と思う人も多いでしょうが、60~70歳の10年間は急激に体力も脳も衰える10年間です(医学的根拠は無い。周辺のオジサンたちを見ている実感)
私の父も現在72歳になりましたが、この5年での衰えは半端ないです。そんな衰えていく老人を70歳まで働かそうなんて…恐ろしい限りです。
高齢者はスキル、経験、人望などを持つ一部の人間以外、現役世代に比べてパフォーマンスは落ちる
ご高齢の方は過去にこの国をけん引し、世界有数の先進国にしていただいた方々なので、感謝こそすれ排他的な感情を抱くことはありません。
これは高齢者に対する非難ではなく、一部のスーパーな人を除き、体力や記憶力、新しいものへの適応力が衰えてくる高齢者が、経験や体力が乗りきった40~50代にパフォーマンスで勝るはずがない。
そんな65歳以上の人を、現役世代より年収は半分程度に落ちたとはいえ新人より多く給料を与えて、年齢差を考慮せずに同じ仕事を与えたら不協和音が生じるのも無理は無いでしょう。
若手は会社で新しいシステムが導入されるたびに、70歳手前の自分のおじいちゃんと同い年レベルの人相手に手取り足取り説明しなくてはならなくなる。しかも自分より給料が高い。
今ですらエクセルやパワーポイントの使い方が分からない50代も多くいるのに、彼らが70歳になってさらに働き続けると思うとどんな組織になるのかと恐ろしい限りです。もはや労働生産性を語るまでも無いでしょう。
これからの世代は将来に向けて貯蓄、投資すべき
一昔前は懸命に働き、節約して余ったお金を普通預金、定期預金、貯蓄型保険にしておけば自動的にお金が増えていました。ほぼノーリスクで金利が5~8%とかついていましたからね。
お金に無知でも「一生懸命働けば何とかなる」が何とかなった時代です。
これからの世代は、「一生懸命働けば何とかなる」が何ともならなくなる人が出てくる世代です。給料が高い組織に属した人は何とかなるでしょうが、普通の世帯収入(400~500万円程)であれば何も考えず貰った分を使っていたら本当に何ともならなくなります。
投資しても元本割れするかもしれません。今が絶好のタイミングとも限りません。だから今すぐ投資することが必ずしも正解ではありませんが、将来に向けて意識的に貯蓄を始めることに早すぎることはありません。今すぐからでもするべきです。
街を歩いて雑誌や広告でも見ようものなら、「若いうちは貯蓄より自己投資」みたいなメッセージを見ることも多いですが、騙されてはいけません。
「貯蓄より自己投資」で成功する人なんて多くなく、ほとんどの凡人は単にちょっとだけかっこいいものを身に着ける、ちょっとだけ美味しいものを食べて終わりです。飲み会の話のネタにしかならない。
本気で自己投資と考えるのであれば、短期間で資格や英語などを気合入れて身に着けるのであれば意味はあるでしょう。
ジローラモが出てくるような雑誌に惑わされて「ちょっと上の…」みたいなものを身に着けても何の自己投資にもならんぞ
70歳まで働きたくないから、今懸命に働き、節約し、投資する
私は現在の定年65歳まで働く気は全くありません。70歳まで働くなんて本気でイヤです。できれば40代の間に「辞めてもいい」レベルまで資産を増やしておきたい。それが叶わなくても55歳までには絶対貯める。
私は定年まで働きたくないから、今頑張って働いて資産を増やしています。日本国民なので国のインフラはもちろん利用しますが、金銭的に多くの面倒を見てもらうつもりもありません。
繰り返しますが、一部の高収入な人間を除き、私達の世代は「何とかなる」では何ともならない高齢者予備軍です。
70歳まで働かされないよう、今のうちからしっかり備えましょう。
コメント
弊社の取引先(一部上場企業)は
定年後再雇用が有ります。
有りますが非正規雇用でノルマ無し。
素晴らしいのは再雇用一年後
全員契約終了(クビっすな)。
再雇用したら後は知らん。
国も別に金を出す訳も無いし
異論など挟めない。
皆さん、安穏と「老後も働ける」
とか思ったら大間違いですよ。
老眼、神経痛、体力低下、
記憶力低下、持病等など
中々のシビアコンディションですぜ?w
黒田順之助 様
コメントいただきありがとうございます。労働意欲がある人は65歳まで働けることが前提となっていますが、うちの会社でもなぜか雇用延長に条件がついているようで、実際は62歳ぐらいで消えて行っているイメージがあります。70歳までなんて企業は貯まったもんじゃないでしょうね。
>一昔前は懸命に働き、節約して余ったお金を普通預金、定期預金、貯蓄型保険にしておけば自動的にお金が増えていました。ほぼノーリスクで金利が5~8%とかついていましたからね。
>お金に無知でも「一生懸命働けば何とかなる」が何とかなった時代です。
物価上昇率を理解しての発言ですか。金利が高いときって、たいていの場合ハイパーインフレ(1970年代の狂乱物価など)を抑えるために市場に流れている金を回収するときに行われるから、金利がついても実質的な貨幣価値がマイナスだということに触れないのはどういった理由ですか。
お金持ちにほど遠い人 様
このような小さなブログにコメントいただきありがとうございます。感謝です。
金利がついていても当時は物価も上がって大変だったんですね…。