日本においてメジャーな英語試験として、英検とTOEICがあげられます。どちらも実力を測るうえで良質な試験ですし、英語学習のモチベーションアップのために目標を定めて取り組んでみると効果的なのでオススメです。
ちなみに管理人のhachiは英検1級合格とTOEIC950点程度(アベレージ)を保持しています。
両試験は目的や試験形式が違うので単純に比較はできませんが、いくつかの視点(管理人の私見)から比較していきます。
英検とTOEICの概要を比較する
英検とは
正式名称は「実用英語技能検定」と言い、”英検”の名前で親しまれています。ちなみに「実用英語技能検定」という試験名ではあまり馴染みがないので、「それ何の試験?」と言われることもあるかもしれません(笑)
英検は日本英語検定協会が実施している英語試験で、難易度のランクは1級、準1級、2級、準2級、3級~5級があります。
国家試験ではありませんが、文部科学省後援の試験であり、試験合格者は多くの中学、高校、大学において参照されるなど、試験の信用性は相当担保されています。
TOEICとは
正式名称は”Test of English for International Communication”と言い、頭文字をとってTOEIC(トーイック)と呼ばれます。訳すと、’’英語を使った国際的なコミュニケーション力を測るための試験’’…と言ったところでしょうか。
国際ビジネスコミュニケーション協会が実施している試験で、一般財団法人なので民営です。
2016年8月からTOEIC Listening & Reading Testと名称を変更し、大きく試験構成を変更しています。Listening495点、Reading495点で990点満点の試験で、希望者はWriting & Speakingのテストが別途受けることが出来ます。
しかしながら、2017年度においてTOEICテスト受験者数250万人程度に対し、W&Sテストは38,000人の受験者数なので、一般的にTOEICと認識されているのはTOEIC L&Rのことでしょう。
第一回TOEIC公開テストは1979年に実施され、当時の受験者数は3,000人程度だったようなので、この40年で急激に浸透した試験です。特にこの20年の受験者数の増加は著しいです。
英検とTOEICの知名度を比較する
ともに国内では知名度の高い試験ではありますが、受験者数を比較してみましょう。上記した通り英検は1級~5級のレベルがあり、それぞれ年3回実施されます。受験者数は366万人(2017年度)に上り、幅広い年齢層に受験されています。
特に小・中・高校生の受験者数が一定割合あり、こちらの需要は今後も衰えないでしょう。
「中学の間に準2級を合格する!」、「高校の間に2級を合格!」と頑張っている受験生も多いですね
一方、TOEICの年間受験者数は2017年度において250万人程。
ただし英検より年間における実施回数が多く、年10回実施されていることを違いとして認識しないといけません。
就活などで履歴書に記載するために少しでもいい点を取るために、立て続けに受験する人も多くいます。
運営側は同じ人が同時期に受けたら同様の点数結果になるといいますが、そんなことはありません。600点~700点程度の実力の人だと前後100点ぐらいのばらつきは出ます。
単純な受験者数は英検の方が多いようです。
小・中・高校生の団体受験があるので、一概に英検の方が知名度が高いとは言えませんが、管理人hachiの意見としては、全年齢層に一定の知名度が浸透しているのはやはり英検です。
子供から高齢者まで英検の名前を知らない人は少ないでしょう。 特に英検2級以上は一定の評価が得られており、 履歴書にも記載できます。
しかし、日本におけるビジネスパーソンの間では圧倒的にTOEICが支持されています。履歴書に英検1級と書くより、TOEIC900点と書いた方が間違いなく目を引きます。
これは私自身も感じていることですが、英検1級を持っていても、「英検てあまり実用性が無いからTOEIC900点の方がすごいでしょ」と言われてしまいます。
これはある意味英検の負の側面ですね
実用性が無いなんてことはありませんが、良くも悪くも受験英語と同じようなイメージがついてしまっているのでしょう。
まとめると、全年齢層に幅広く認知されているのは間違いなく英検で、ビジネス界ではTOEICが圧倒的主流です。
英検は1級を持っていてもその難易度が理解されず、悲しい思いをするかもしれません(笑)
まあ、英検1級取れる人は試験対策さえすればTOEICも900点を取れるでしょうから、両方持つのがいいですね。
英検とTOEICの難易度を比較する
大前提として、違う試験なので直接比較はしにくいです。
理由は英検は級別に難易度が大きく差があり合格不合格の試験であるのに対し、TOEICは初心者も上級者も同じ会場で同じ試験を受け、合否ではなく0点~990満点でレベルが測られるということから、TOEIC〇〇点=英検〇級とは一概に言いにくいのです。
英検 | TOEIC |
1級 | 870~970 |
準1級 | 740~820 |
2級 | 550~600 |
上記の表は英検1級、準1級、2級とTOEICのスコア換算ですが、飽くまで参考です。
英検は2級以上がメジャーで、成人だと2級以上を取らないと履歴書等に記載する意味が無いので2級以上を抜粋しています。
私はゼロレベルから英語学習をスタートし、TOEICが800点台後半を取得した時期から英検準1級と1級を受けておりますが、私の実体験に基づく感覚と大きくずれていません。
800点台後半~900点届くぐらいのタイミングで英検準1級を受けたときは、時間を持て余して正答率95%で余裕で合格できましたし、その勢いで調子に乗って1級を受験したらコテンパンにやられました(笑)
当時の私には英検1級は異次元の難易度でした
そういう意味でも、英検は1級と準1級、準1級と2級に相当なレベル差があるので、細かなレベルチェックには向いていません。
私のように準1級に合格しても1級には遠く及ばない人も多くいますが、その人たちはTOEICであれば740点~900点ぐらいの間に収まるので、細かくレベルチェックが出来ます。
これはTOEICのメリットですね。
難易度の比較としてもう一つの視点は、TOEICは比較的簡単な問題をスピード勝負で解いていくものに対し、英検は比較的時間はあるものの高難易度の長文、単語を解いていく試験だということです。
TOEICは公式問題集を購入して時間を関係なく読み解いていくと割と簡単に答えが見つかります。
一方、英検は1級レベルになるとセンター試験の国語の読解レベルの問題が出ており、時間があっても、辞書があっても難しいと感じるものも多く出題されます。
また、英検も準1級以上になるとTOEIC L&Rテストには存在しないWriting, Speakingも重要なウェイトを占めていることが見逃せません。
特にライティングはしっかりとトレーニングしないと絶対に点数は取れません
まとめると、英検は高難易度の文章と勝負、TOEICは時間との勝負と言ったところでしょうか。
実際私も英検1級の問題は今でも辞書が無いと難しいと感じますし、TOEIC公開テストを受験すると時間ギリギリで数分余ったらいいところです。
英検とTOEICはどちらが有利か比較する
英検とTOEICはどちらが有利かということですが、目的による…ところでしょう。
就職活動、転職活動、会社内での昇格などを目的とした場合、現在の日本において指標として活用されているのは圧倒的にTOEICです。
英検でもTOEFLでもありません。何を差し置いてもTOEICで高得点(800点以上?)を取っている人が有利です。
私も英検1級とTOEIC950点程度を履歴書に書いて今の会社の面接を受けましたが、面接官はすぐにTOEICのことを食いついてきましたが最後まで英検には触れられませんでした(笑)
実用英語技能検定1級という正式名称の知名度の無さも問題なのかもしれませんね
昇格試験においてもTOEIC700点以上と定めている企業が増えてきていますが、英検準1級以上と定められている話は聞いたことがありません。
人事の人たちもあまりTOEICに偏らず、英検も指標として採用して欲しいところです。苦労して英検1級を取得した立場からすると、こっちも同様に評価してくれよと言いたくなります。
残念ながら英検はビジネスではあまり注目を得られませんが、入試においては加点、優遇、英語試験免除などの優遇処置を設けている大学もあり、受験において大きな負荷となる科目の英語を有利に進めることが出来ます。
知名度のある大学も英検に対して優遇措置を設けているので、頑張って高校生の間に準1級以上を取得してしまえば間違いなく強みになります。
学業なら英検、ビジネスならTOEICというところでしょうか。
さいごに
英検とTOEICは片方の試験しか取り組んでいないからと言って偏った英語になるというわけではありません。
TOEICも700点ぐらいまでは能動的な能力(Writing, Speaking)を測ることが出来ないことから若干偏りがちではありますが、900点以上を目指す場合は語彙力、リスニング力などバランスの良い英語力がついていないと取れないようになっています。
英検もTOEICも良質な試験ですので、どちらでもいいので’’英検〇級を取る’’、’’TOEIC〇〇点を取る’’と目標を決めて頑張ってみましょう
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