日本人は多かれ少なかれ義務教育で英語を学んでいるのに、英語が苦手と感じている人が多いのですが、それを英単語の暗記のせいにするのは間違いです。
英語力は語彙力に比例して上がります。言い換えれば、語彙力が低ければ英語力は低いままです。
今でも入試の時期が近くなると、電車の中で高校生たちがTargetなどの単語本を読みながら必死に英単語を覚えている姿が見受けられます。
関心ですね!私も英語学習に注力していたときはベッドの横にリングカードを置いて毎晩3冊(1冊×50枚)は目を通してから寝ると決めて実行していました。
語彙力が上がれば英語力が上がる
英語に苦手意識を抱いた人、受験英語を終えてから全く英語を勉強していないという人からしたら、「英単語を覚えてばかりいたから英会話が出来ないんだ!」と嘆く人も少なくありません。
受験自体は辛いものだろうし、気持ちは分かります。でもちょっと待ってくださいね。
確かに日本の受験生は偏った英語の勉強の仕方をさせられているかもしれませんが、それが理由で会話が出来ないのではありません。
しかし、ひたすら単語の暗記をすることが嫌になって英語を嫌いになる人も多いので、受験英語の賛否はあるでしょうね。
日本人が英語が苦手な理由は別記しているのでそちらを参照してください。
語彙力が高いということはそれだけで英語の理解力、ひいては英語力アップにつながります。
英語の文法はマニアックな深い部分を除けば、若いころから英語に触れている私たちにとってはそこまで難解なものはありません。
最低限の文法さえ習得していれば、語彙力が高ければ多くの長文は読めてしまいます。
むしろ知らない単語が多すぎると、いくら文法知識が高くても理解のしようがありません。語彙力が高いというのは、本当に武器になりますよ。
私も仕事柄英語の論文を読む機会が多いのですが、各専門領域の単語は知らないものが多すぎて、辞書が無いと全く理解できません。
これだけ文法を勉強していても、知らない単語が多いと何を書いているかすら分からないものなのです。
一説には、文章の中の4割程度に知らない単語があれば理解することが出来なくなるようです。そりゃそうですよね。
知っていて損をする英単語など一つもない
語彙力強化は積み重ねです。使用頻度は少なくても、覚えておいて損することはありません。
「マニアックな英単語は覚えなくてもいいよ。会話が大切だから」などと英会話教室の講師は言ってくるかもしれませんが、はっきり言ってそれは間違いです。
通常教育を受けたネイティブの語彙力をなめてはいけません。
私が英単語を学習するときに、「これは覚えなくてもいいや…」と思って捨てる基準はただ一つ。その英単語の訳を日本語でも知らない場合だけです。
もし目の前にある英単語を辞書で引いて、日本語ですら知らない単語であれば、それはさすがに後回しでもいいでしょう。
しかし、日本語で知っているのであれば、覚える努力をしましょう。
あなたの人生で少なくとも1回以上触れたことがある単語です。今後の人生でも出てくることがあるはずです。
いかがですか?そうやって考えたら覚えなくてもいい単語などそう簡単には見当たらないことに気づくはずです。
繰り返しますが、通常教育を受けているネイティブの語彙力を侮ってはいけません。私たちも膨大な日本語単語を習得して”日常日本語会話”を使いこなしているのです。
例題
- Hundreds of wells that provide irrigation to farmers have been shut down.
上記の文章は私が適当に思いついた英単語を辞書で引き、例文に記載されていたものです。ケンブリッジの英英辞典から持ってきました。こういう時英英辞典は便利ですね。
上記の文章、文法的には難しくありません。高校生レベルで十分対応できるでしょう。
しかし語彙力が低ければ、”何かストップした”ことはhave been shut down.から想像がつきますが、肝心の内容が分かりません。
しかしwell=井戸、irrigation=灌漑(かんがい)と知っていれば、水の供給に使われていた井戸が止まったんだなと細部までは分からなくても理解できます。
語彙のチカラを侮るなかれ(*’▽’)
難解な文章だとしても、出てくる単語が9割以上知っているものばかりであれば、多少強引にでも読み進められます。
逆に知らない単語ばかりが出てきている文章だと、構文そのものは簡単でも全く何を言っているかわからなくなります。
今日明日でwellとirrigationという二つの英単語に出会うことはないかもしれませんが、こうやって使える語彙を増やしていくと、報われる日が必ず来ます。
オススメの語彙力の増やし方
リングカード
私がオススメするのはリングカード。自分がやっていたからというのもあるかもしれない(笑)
令和の時代になっても勉強はアナログです
100均で売っているのでリングカードを買ってきて、適当な文章を読んで一瞬でも分からなかった単語を拾っては書き写し、自作のリングカードを増やしていきます。
私はもともと語彙力が低い方だったので、机の中には20束以上のリングカードが入っていました。それを毎晩寝る前に3束ずつ順繰りでみていました。
日本語単語⇒英単語
何でもいいから思いついた日本語を英語に変換してみる作業。友人やカップルでやってもいいです。
なんか日本語で単語言って!とお願いし、それを英単語で言えるか。意外と言えないものなんです。
このトレーニングは英文ライティングするときにも生きてくるので、遊び感覚で継続するといいですよ。
あ、”継続”って英語で言えますか?こんな感覚です。継続はcontinueが日本語英語としても使われていますね。sustainなども類似で出てきたらいいかもしれません。
キクタン
アルクが提供しているリズムで英単語を覚えるやつです。キクタンは優秀ですよ。私も当時お世話になりました。
昔は本を買ってCDを手に入れて、それをプレイヤーに入れて聞いていましたが、今やアプリで簡単にダウンロードできます。
これ以外とバカに出来なくて、私なんかは15年以上前に耳で聞いていたキクタンのリズムが、今でもすらすらと言えるぐらい残っています。
スペルの問題もあるので聞くだけではダメかもしれませんが、読むだけではなく耳から覚えることも有効な方法です。
15年耳に残ったということは、一生残るのかな(笑)
語彙力強化は気が遠くなるような地道な作業ですので、読むのに飽きたらキクタンというように、違う方法に変えてみるというのも手です。
ライティング
上記のひとこと日本語⇒英単語ではなく、本格的なライティングです。
これね、一番効果あります(笑)
リングカードを眺める、キクタンで聞くという作業は空いた時間で気軽に出来るし継続してやることが重要ですが、やはり能動的に使うということが一番知識として定着します。
やり方は何かしら短文の日本語を用意して、それを英語に訳すというシンプルなもの。
意外と簡単な日本語文でも、いざ訳すとなると難しいものです。同類の英単語も微妙なニュアンスの違いがあったりするので、結果として1文訳すのに何度も辞書を引く羽目になります。
この過程が一番単語が定着します。また、良くも悪くも自分の実力を知ることになるので、短文ですら全く英訳出来ないという方はもっと努力が必要です。
まとめ
どれだけ難しい文法(そんなに難しいのは無いけど)が使われている文章だったとしても、語彙力があればさほど恐れることはありません。
英単語学習のいいところは、いつ始めてもいい、いつ辞めてもいいというところです。積み重ねではありますが前後があるわけではないので、散発的に学習して問題ありません。
あと、難しい単語でも簡単な単語でも、覚える労力は同じということは知っておきましょう。
使用頻度の低い難易度の高いと言われる英単語でも、語呂が良かったりしてすぐに覚えられるものもありますし、頻繁に出てくるのになぜか覚えられない単語もあります。
英単語学習の参考書にはレベル別になっているものが多いですが、あれは“覚える難易度のレベル”ではなく、”使用頻度別”だと認識しましょう。
少なくともその単語を日本語で知っているのであれば、恐れる必要の無い、”覚えていい英単語”です。
地道に、一つずつ積み重ねていきましょう。
偉そうなことを書きましたが、私もどちらかというと語彙力は低い方です(笑)
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