英語の前置詞は日本語における”てにをは”の位置づけと似ています。
もちろん日本語と英語は違う言語なので当てはまらない部分もありますが、外国人にとって日本語の”てにをは”が難しいと感じるように、私達日本人にとっても前置詞を極めることはすごく難しいです。

最終的には感覚の問題になってくるので、いくら勉強しても分からないときはあります
前置詞は無くても間違っても何とか意味は通じるので、そこまで必死にならなくてもいいですが、気力があるときに一度は意識して勉強するのもいいでしょう。
私は英検1級対策で英文ライティングをしているときに結構頑張りました。
会話の時はすっ飛ばしても間違えてもどうでもいいと思っていますが、英検1級レベルになるとライティングで減点を食らいたくないので、自分が使える正しい前置詞の組み合わせのストックを増やしていく必要があります。

ちなみに私はトレーニングの結果、英検1級のライティングは満点で合格しています(*’▽’)
前置詞は正解が一つでないことも多い
学習中はよく知り合いのネイティブに英文添削を依頼しており、「この文の場合、前置詞は”in”と”at”どっちが正しい?」と聞くと、「どっちでもいいよ」と返答されることがありました。
前置詞による表現はinとatだけに限らず、”どちらでもいい”ということが時々出てきます。
この”どちらでもいい”は、私のようなノンネイティブにはすごく辛いんですよね。

じゃあなんで二つあるんだよ!と言いたくなりますが、言語とはそういうものです。
例えば日本語においても「に」と「へ」の微妙な違いを明確に説明できる人は多くないでしょう。
実際曖昧に使われているのが現状ですが、第二言語として学ぶ人にとっては感覚的に使用されているものは理解しにくいです。
日本語の「に」と「へ」の違い
予備知識ですが、「に」は移動を表す動詞の到達点を表しますが、イメージとしては到達地点に焦点を当てています。到着する場所を点で捉えているイメージでしょうか。
一方で「へ」も同じく移動を表す動詞の到達地点を表しますが、到達地点までの方向性を表しています。
「に」が到達地点を中心にイメージしているのに対し、「へ」は到達地点までの道のりをイメージしています。
実際のところは、両者はあいまいに使われていることが多く、「東京に向かう」、「東京へ向かう」はほぼ同じ意味で使われています。
しかし、「東京への道のり」とは言いますが、「東京にの道のり」とは言いません。
これは上述したように、東京を”点で捉えている”か、”向かう方向”で捉えているかによって変わるからです。

・・・余談でしたね。言語って難しい。
inのイメージを掴む
英語の意味を調べるときに役立つのが英英辞典です。
しかし前置詞の場合、あまりにも多くの意味があるため辞書で調べるととんでもない量の使い方、例文が出てきます。

ちなみにロングマン英英辞典でinを調べたら20個以上の使われ方と100文以上の例文が出てきました(笑)
上述の「に」と「へ」のように、英語の前置詞にもそれぞれ”イメージ”があります。これを念頭に置くことによって、例文を読んだ時に理解する、記憶するスピードが変わってきます。
inのイメージは「空間の中にある」です。この”空間”が、建物や箱だけではなく、時間、起こっている状態(トラブル等)をも包括するものとして大きくイメージするのがいいでしょう。
inを用いた例文
- used with the name of a container, place, or area to say where someone or something is.
- My mother is in the kitchen.
- He is in Tokyo this week.
場所、建物などの中にいるというイメージですね。これが一番日本語とリンクしやすく、「〇〇(の中)にいる」というように理解できるでしょう。
- used with the names of months, years, seasons etc to say when something happens.
- He retired in October.
- I visited Japan in 1982.
“時を空間としてイメージ”し、その中で起こった出来事を表しています。”東京”も”1982年”もinを用いて空間としてマルっと認識しましょう。
- used to talk about the state or situation of something or someone.
- He was in danger.
- The engine appears to be in good condition.
inは状態も空間としてイメージしています。その状態の中にあるという意味で、in danger や in good conditionなどが用いられます。
前置詞はイメージで覚えよう
“Fromは起点”、”onはくっ付いている”など、全ての前置詞には核となるイメージが存在しており、その核から派生して様々な用いられ方がされています。
もちろん例外は存在しますが、闇雲に英単語+前置詞で丸暗記するより効率がいいです。
核となるイメージを少しだけでも学習してから英単語学習に取り組むと、動詞と前置詞の組み合わせに納得感が出てきます。
前置詞を含む英文法を学ぶならEnglish grammar in useがオススメです。ケンブリッジが発刊している第二言語として英語を学ぶ人に向けた文法書です。
私のブログで度々紹介していますが、それは私が本当にこの文法書が優れていると感じるからです。
文法学習は退屈な作業ですが、図も交えて外国人がイメージしやすいように解説されているため非常に分かりやすいです。
今回はinを取り上げましたが、他の前置詞についてもいずれ取り上げる予定です。
私の知識整理になるんですよね。アウトプットすることが学習した内容を定着させるのに一番いいのです。

文法は人に説明できるようになるまで学習するのが大事です
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